矯正治療に伴うリスクについて及びその他の注意事項

頻度は少ないですが、矯正治療の際に起こる可能のあるリスクがあります。
下記に列挙しますが、ご不明の点は、お気軽にお問い合わせください。


*矯正装置を装着すると痛みや不快感が生じることがあります。痛みは装置装着もしくは調整後6時間後から徐々に現れ、3日前後をピークに消退します。また、通常は、矯正装置のセットによる不快感は、は1週間程度で慣れてきます。

*矯正治療中は矯正装置より、口腔内の清掃性が悪くなり、むし歯や歯周病になるリスクが高くなります。歯科医師および歯科衛生士の指導 による適切な歯磨きを行っていただく必要があります。また、定期的にPMTCなどのクリーニングが必要になる場合もあります。

*歯の動き方には個人差があります。そのために、検査診断時に予測された治療期間が短縮および延長する可能性があります。

*歯を動かす事によって、歯根の先端が僅かに(1〜2ミリ程度)短くなる事を歯根吸収と言いますが、比較的に多くあります。しかし、稀では、ありますが、歯を動かすことにより歯根の長さの1/2低度の歯根の吸収が起きることがあります。

*歯を動かす事によって、歯肉退縮と言いますが、歯の周囲の歯肉がる事があります。また、歯と歯の間の歯肉が下がると、隙間が目立つようになるブラックトライアングルという状況になることがあります。

*治療途中に金属アレルギーの症状が出ることがあります。比較的に金属アレルギーで多いのが、矯正材料に含まれる、ニッケル、コバルト、クロムという金属によるアレルギーです。

*装置や顎間ゴムなどの使用状況、口腔筋機能療法(MFT)および定期的な通院等、歯科医師の指示どうりに患者さんからの協力が得られない場合は、治療結果や治療期間に影響を及ぼします。

*矯正治療中は噛み合わせが変わり、一時的に顎関節に負担がかかることで、顎関節に音や、痛み、開閉口障害などの顎関節症状が出ることがあります。

*稀に歯が骨と直接癒着する「骨性癒着」が起きていて思うように歯が動かないことがあります。このような場合に、亜脱臼という方法で歯を抜くような力をかけ揺らしてから再度歯を動かす方法もありますが、歯髄壊死のリスクも生じるために、積極的には行いません。

*極めて稀に歯を動かすことで歯の神経が障害を受けて歯髄壊死が起きることがあります。なお、歯髄壊死の多くは、上の前歯におきますが、過去に前歯をぶつけたりした場合は、歯髄壊死が起こりやすいと思われます。

*緊密な咬合関係の獲得のため、歯の形態修正や、咬合調整と言いますが、歯を僅かに削る事をする場合があります。

*何らかの要因(強く噛んだり、歯の表面が接着剤が利きにくい等)で矯正装置が外れたりする場合があります。また、その装置を間違って飲み込んでしまう(誤飲)する可能性があります。

*矯正装置を歯から外す時に、エナメル質にクラックと呼ばれる微小な亀裂が入る可能性や先端の欠けや、元々に歯の治療で詰めた樹脂や金属当の詰め物(補綴物といいます)の脱落や一部に破損が生じる可能性があります。また、噛み合わせが変わった事、歯が動いたことにより、歯に詰め物が合わなくなったり、歯肉と詰め物の境目が目立つようになる場合がありますが、その際には、詰め物の作りななおしが必要になります。

*短期的には、保定治療と呼ばれる後戻り防止装置(リテーナー)の使用方法を遵守し、定期的な経過観察をお受け頂けない場合、歯並びの後戻りが生じる可能性が高くなります。

* 矯正治療後にその時点の噛み合わせに適した、むし歯の治療や補綴物などの再治療を行う可能性があります。

*歯は一生動き続けます。そのために長期的には、 顎の成長発育や加齢などの経年的変化や歯周病により、かみ合わせや歯並びが変化(通常は徐々噛み合わせのズレや歯の並びの凸凹が進行)します。

*親知らずなどの影響により、歯並びにデコボコなどの叢生が生じたり、噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。

また、矯正治療中は、虫歯や歯周病になりやくなりますので、歯科医師、歯科衛生士の指導による歯及び歯肉に刷掃指導等を行いまが、今まで以上にハブラシ等を入念に行う必要があります。


トップページに戻る